HomeDocumentDocument3

- 掛けられた暗示 -

記録3-1
「TITAN」という小説は、発売当初それほど売れていたわけではなかった。むしろ見えないところで密かに読まれていたと言った方がいいだろう。
それが爆発的な人気小説となったのは、やはりタイタニックが沈没した後になる。そしてそれは故意にあるいは強制的に、世間の知るところとなったのである。

もちろん警戒心を抱かせないために、事前に広めることは避けたのだと思われる。予言小説であるなら、前もって広めたいところだが、出航前に準備してきた計画を見抜かれてしまう恐れがあったので、沈没後にその小説を大々的に宣伝し、その内容をすり込まれた人たちは、事故の原因を疑うことなく氷山に激突したからだと思い込んだのだ。そして、救助され帰ってきた人たちに話を聞くと一様にそれと同じことを言ったに違いない。
結局、沈んでしまったのなら、調査することもできないと考えるだろう。後はただ、たくさんの人が亡くなったことで、悲しみに浸るしかなかったのだ。
後に、「TITAN」という小説は、「Futility」あるいは「The Wreck of the Titan」のタイトル名に書き換えられている。それはまさに、「予言小説」とか「氷山が事故原因」ということを思い込ませるには最適なタイトル名に思えるのである。


- 映画「タイタニック」 -

記録3-2
タイタニック沈没直前に出された「TITAN」という小説は、事実と何もかもそっくりという記録しか残っていない。内容は一切手に入らないのだ。それは見られては困る部分があるということだろう。
それを隠すためだろうか。「タイタニック」という映画を撮る企画が持ち上がる。

すべて逆の事実

映画「タイタニック」を製作することで、よりいっそう見た者を暗示に掛けてしまっているようだ。事実を隠すために、ストーリーは練り上げられ、名立たる有名監督と出演者、制作スタッフや豪華な衣装と舞台設備・・・・それらに目を奪われている内に、事実とは違った世界を展開させている。

冒頭では、タイタニックの引き上げシーンがまるでそれが行われたかのように繰り広げられている。そして、遺品の回収。それは直接オークションでの販売を認めた形になり、生き残った老女の話があたかもタイタニックで何が起こったかを事実とすり替えて語られている。
沈没したと言われているタイタニック号の事件の謎に、映画は一切答えを出していない。



ページトップへ

Reference materials

Elucidation project

    チームメンバーは4人ですが多方面に協力者を募るつもりです。その意志のある方は連絡して下さい。
  • 連絡先 : Bert まで。